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10-4-8-2 トヨエツ。花村萬月の小説はお決まりの筋書きと台詞、インテリヤクザとエロとバイオレンスがつきものである。青臭く、激しくて、時々ロマンチックなんだけれども、今回読んでいるのには笑いがはいっている。「笑う山崎」

この主人公が(お決まりの)インテリヤクザなんだけれど、わたしのイマジネーションでは豊川悦司が演じている。トヨエツかっこいいぃとか、一度も思った事ないけどなんだかこうも(脳内で)好演されると気になってしまいますね。

この小説も例に漏れず、最初はグッと入り込むのだけど、中だるみもある。特にエロが長いと疲れてきて、花村萬月の顔が浮かんでくるとハッと我に戻ってしまってげんなり。人を見かけで判断しない主義ですが、実際言葉も交わした事もなく顔だけ知っているのだからイメージが先行してしまう。でもこの作家の良いところは、毎回同じような内容だけれど、インテリヤクザの吐く台詞がインテリだけあってたまに哲学めいており、なるほどねー、と感じるところにある。なるほどと言うよりも寧ろ、わたしが言葉にできない考えを彼が文章で表現しているのを読むとそうそう、これが言いたかったのよ、うんうん、とうなずきたくなる。

よし、帰ろ。ねる前にベットのなかで本を読むのが至福の一時なのだ。眠気がある時はなおさら良くて、読みながら知らんうちに寝とった、みたいな状況が最高やね。

グッとないと。